『安いニッポン 「価格」が示す停滞』に気付かされた

安いニッポン 「価格」が示す停滞 (日経プレミアシリーズ) [ 中藤 玲 ]

価格:935円
(2021/10/23 12:44時点)
感想(10件)

この本は衝撃でした。ざっくり言うと、日本で生活していると、サービスや商品が低価格で高品質であることが当たり前になってて、実は広い視点で見ると危険な状況だよ、という話です。

僕自身、日本にいたときは、日用品は10円でも安く買おうとしてましたし、他にもこういう考えが当たり前になってたところが多分にあります。

思えば、教科書では「物価は年々上昇する」と習ったのに、日本のここ30年は全く異なります。世界と比べて日本の物価が安すぎるため、海外からバンバン土地を購入されたり、日本の優秀な人材が国外へ流出したり、とにかく、様々な事例をもとに警鐘を鳴らしているのが本書です。

そして、僕は、「日本で使うシステムをベトナムで作る」という自分の仕事についても考えました。いろいろ理由はありますが、中心となるのは、「割安で優秀な人材を得たい」という発想です。ところが、これこそが本書で指摘されているデフレ思考以外の何物でもありません。

さらに、身も蓋もない言い方をすると、「GDP3位に転落した国が、上を目指すのではなく、コスト削減で乗り切るために、GDPが自分達の1/20の国に製造部分を委託している」という残念な構図も見えてきます。

日本の消費者は価格に敏感で、しかも働き手が頑張ってそれに応え、給与が多少上がらなくても頑張り続ける、という傾向があります。一方、ベトナムも働き手は実直で、比較的単調な作業でも文句も言わず淡々とこなす、という印象です。

ベトナムの働き手はバイタリティがあるがゆえに、力技で対応してしまうことも多いです。例えば、「セキュリティ」と呼ばれ、店の前に置かれた客のバイクの盗難を防ぐ、という仕事があるのですが、長時間労働の割に合わないだろうなと感じます。

両国ともチップの習慣がありませんし、あまりお金、お金、と言わない清貧な性格が逆に仇となる可能性があります。ただ、ベトナムのITエンジニアはきちんと会社に給与アップの交渉をするようですし、その点では、まだ日本よりは良いです。

日本、ベトナムともに、生み出した価値がちゃんと評価される仕組みを入れて、賃金と物価が上昇していく健全な社会を意識しないといけないなあ、と本書を読んで痛感しました。

さらに、前述の僕の仕事についても、日本とベトナムの間で縮小均衡に陥らず、今より多くの仕事を請け負って、少しでも売上を上げていく工夫をしていきたいと思いました。

それでは、また。

投稿者: Mikame Kosuke

ベトナム・ハノイ在住。「日本のITエンジニア不足を解消するには、海外の人と仕事ができなければ」と思い、オフショア開発に携わって約2年。コロナ禍ですが、再度ベトナムに渡航しました。

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